腹圧性尿失禁

咳やくしゃみ、笑う、運動など腹圧上昇時に、
膀胱が収縮しないのにもかかわらず、尿が漏れ出てしまう失禁です。

原因

外尿道括約筋の機能低下

外尿道括約筋(尿が漏れないよう尿道を締める筋肉)の働きが障害され、尿道の抵抗が弱くなるために失禁が起こります。

膀胱頸部・尿道過可動性

骨盤底が緩むことで膀胱出口付近が下垂し、その結果として腹圧の尿道への伝達が不良となり、腹圧時に膀胱の中の圧力だけが上昇し、尿を我慢する筋肉の力が不十分となり失禁を起こします。

治療

<生活習慣の改善>

水分をとり過ぎると尿量が多くなり、尿失禁症状を悪化させることがあります。
よって外出や運動など失禁の可能性が高い行動をする前には、水分摂取量を減らすことを考える必要があります。
また、外出・運動などの前に排尿し、膀胱を空にしておくことも尿失禁のリスクを減らすことができます。

<理学療法(骨盤底筋訓練)>

骨盤底禁訓練(体操)は、膣あるいは肛門を締める運動を一定期間行うものです。
1日に30〜80回程度行い、少なくとも8週間は毎日続けることが勧められています。
パンフレットにて訓練の方法を説明しています。

<薬物療法>

腹圧性尿失禁は、前述の理学療法や外科的治療が標準的治療で、薬物療法の効果はあまり期待できないと言われています。
クレンブテロール(商品名;スピロペント)や、過活動膀胱による切迫性尿失禁の合併時に抗コリン薬やβ3アドレナリン受容体作動薬(詳細は過活動膀胱の項)を併用すると、失禁の軽減を認めることがあります。

<手術療法>

腹圧性尿失禁に対して様々な手術が施行されていますが、近年は中部尿道スリング手術(TVT手術、TOT手術)がよく施行されています。

<電気刺激療法・磁気刺激療法>

電気刺激療法(干渉低周波療法)や磁気刺激療法は、電気や磁力により骨盤底の筋肉や神経を刺激するもので、腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁に対する有効性が示されています。
当院では施行しておりません。