ED(勃起障害/勃起不全)について、またEDの治療法について

EDとは満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、
または維持できない状態が持続または再発することを言います。

EDは病因から、器質性(血管性、神経性など)、心因性、および器質性と心因性が併存する混合性に分けられます。

単一の病因が原因のことは稀で、混合性であることが非常に多いです。

EDのリスクファクター(危険因子)

EDの診療ガイドラインでは、次の12個の因子がリスクファクターとして挙げられています。

これらのリスクファクターを改善することで、EDの改善を認めることもありますが、例えば高血圧やうつ、前立腺肥大症(下部尿路症状)の治療薬の一部ではEDが増悪する場合もありますので、注意が必要となります。

  • ・加齢
  • ・糖尿病
  • ・肥満/運動不足
  • ・心血管疾患/高血圧
  • ・喫煙
  • ・テストステロン低下
  • ・慢性腎臓病/下部尿路症状
  • ・神経疾患
  • ・手術/外傷
  • ・うつ等の精神的因子/ストレス
  • ・薬物
  • ・睡眠時無呼吸症候群

生活習慣病と関連が強いED

前述のリスクファクターにありますように、EDは加齢に伴うもの、
特に生活習慣病が重要な要因となります。

糖尿病や高コレステロール血症などの脂質異常症、高血圧症や肥満などにて動脈硬化が進行し、血流の低下が起こります。

また、糖尿病は神経障害を起こして勃起の低下をきたすことも知られています。当院では30歳代や40歳代の無治療の糖尿病患者さんのEDをしばしば経験します。

健康診断で指摘されているにも関わらず、症状がないと放置されている患者さんがおられますが、EDが糖尿病を含めた生活習慣病と関連があるということを知っておくということが重要です。

20代でも起こりうるED

EDは中年〜高齢者の疾患というわけではなく、20歳代の患者さんもしばしば受診されます。

若い患者さんでは前述のような加齢や生活習慣病などのリスクを持っている方は多くありません。

当院に来院される20歳代のED患者さんの要因は大きく2つあります。1つは前立腺炎を伴った患者さんで、もう1つは心因性の要因を持たれた患者さんです。

1つ目の要因である前立腺炎には急性のものと慢性のものがあります。

若い男性の急性前立腺炎は細菌による感染で、性交渉をきっかけに発症することが多い疾患です。一方、長時間のデスクワークや車の運転、自転車・バイクの使用による機械的刺激が要因で起こる慢性前立腺炎でもEDが発症します。急性前立腺炎は排尿時の疼痛/違和感や残尿感、頻尿などの症状を認め、抗菌薬による治療にて改善します。慢性前立腺炎は、原因となる機械的刺激を避けるもしくは低減させることが重要で、自転車・バイクの使用を控えたり、座位時にクッションを用いてもらうように説明しています。急性でも慢性でも前立腺炎の症状が改善するにつれて、EDの症状も改善する患者さんをよく経験します。

2つ目の心因性によるEDの患者さんもしばしば来院されます。

心因性の原因として、過去の性交渉時の失敗体験や経験不足による焦りなどがあります。また、妊活によるタイミングでする性交渉のプレッシャーで勃起が維持できない患者さんも増えている印象です。このような患者さんは、血流障害や神経障害がないため、ED治療薬への反応が非常に良く、効果が十分期待できます。また、一度成功したことで自信がつき、その後は治療薬が不要となる患者さんもおられます。

EDの治療

前項でも述べました通り、EDの治療は、問診などを行い、
リスクファクターの改善を行うことが重要となります。

先日当院では、前立腺炎がEDの原因となっていた20代男性が来院され、その前立腺炎の治療を行ったところ、EDの改善を認めた事例がありました。

また、喫煙や肥満/運動不足の改善で、EDの改善を認めた患者さんもおられます。

このように、リスクファクターを除去することで、EDの症状を改善することができることもあります。しかし、明らかなリスクファクターを認めない場合には、問診にてEDの症状の重症度や脳卒中や心臓疾患、肝機能障害の有無を確認し、問題がなければED治療薬の内服による治療を開始します。

リスクファクターを認める場合でも、その因子を除去・軽減しながら、ED治療薬の内服にてEDの治療を開始することもあります。

当院では、3種類のED治療薬を扱っており、患者さんに合った治療薬を選択することが可能となっています。それぞれの治療薬に関する特徴については、診療を担当した医師が説明を致しますので、相談しながら自分に合った薬剤を決定して頂けたらと思います。

ED治療薬を服用するにあたっての注意点

当院で扱うED治療薬は、重度の肝障害、170/100mmHg以上の高血圧、90/50mmHg以下の低血圧、
6ヶ月以内の脳卒中や心筋梗塞の既往などのある患者さんは、服用することができません。

網膜色素変性症をお持ちの患者さんも使用することができません。

また、硝酸剤(ニトログリセリン)を使用している場合や、ED治療薬の種類によって併用できない薬剤があります。必ず医師に申告するようにお願い致します。

なお、治療にかかる費用に関しましては全額自己負担となります。費用につきましては後述しておりますのでご確認ください。

ED治療薬が使用できない、もしくは不十分な場合

心臓疾患や内服薬など上述の理由にて内服ができない場合や、
内服しても効果が不十分な場合には、下記の治療法が選択されます。

※下記の治療は当院では行っておりませんので、ご了承ください。

陰圧式勃起補助器具

陰茎に陰圧をかけて陰茎内に血液を充満させ、人工的に勃起させた後、陰茎の根本にゴムバンドなどを装着して勃起を持続させる治療法。

陰茎海綿体注射

陰茎にプロスタグランジンE1という薬剤を注射し、勃起させる治療法。国外では自分で注射可能な国が多数ありますが、日本では認められていないため、医療機関での注射が必要となります。

陰茎プロステーシス

人工陰茎(プロステーシス)を移植(埋め込む)する治療法です。

ED治療にかかる費用

診察
初診料 3,000円(税込)
再診料 1,000円(税込)
治療薬
1錠あたり 800円 〜 1,700円(税込)