前立腺肥大症

男性の前立腺と言う組織が肥大して、様々な排尿症状を引き起こす病気です。

病態

  • 前立腺は膀胱の出口付近で尿道を取り囲んでいる臓器で、肥大することで物理的に尿道を圧迫し、尿の通りを悪くします。
  • 前立腺の平滑筋に対する交感神経の緊張が亢進して、前立腺(平滑筋)が収縮して、尿道を圧迫します。

排尿症状

  • ・頻尿
  • ・排尿困難感
  • ・残尿感
  • ・尿の勢いがない
  • ・尿が途中で途切れる
  • ・尿のキレが悪い
  • ・排尿時お腹に力を入れないと出ない
  • ・排尿後に尿が漏れる など

原因

男性ホルモン

まだ解明されていない部分もありますが、男性ホルモンが関与していると言われており、中高年になって男性ホルモンを含む性ホルモン環境が前立腺肥大症に関与していると考えられています。

メタボリック症候群や生活習慣病

炎症などが前立腺の腫大に関与していることも指摘されています。

合併症

  • ・尿閉(尿が全く出ない)
  • ・肉眼的血尿
  • ・膀胱結石
  • ・反復性尿路感染症
  • ・腎後性腎不全
  • ・溢流性尿失禁 など

治療

薬物療法
<交感神経α1遮断薬(タムスロシン、ナフトピジル、シロドシンなど)>

前立腺平滑筋にある交感神経受容体(交感神経α1受容体)を遮断することにより、前立腺平滑筋を弛緩させ、尿道の圧迫を解除することで、尿が通りやすくします。

<ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬(タダラフィル)>

勃起不全に使用されている薬と同じ成分ですが、前立腺や膀胱出口の平滑筋を弛緩させて、尿を通りやすくすることがわかっており、前立腺肥大症の治療としても使用されます。

<抗男性ホルモン薬(5α還元酵素阻害薬(デュタステリド))>

男性ホルモンの前立腺に対する作用を抑えることにより、前立腺を縮小させ尿道の物理的な圧迫を軽減します。

<生薬、漢方薬>

前立腺肥大症の治療薬として使用されることがありますが、有効性に関して科学的根拠が不十分で、効果も前述の薬剤より劣ります。
他の薬剤と併用することも多く、副作用は稀です。

手術療法
  • 薬物治療を行っても、症状の十分な改善が得られない場合や、肉眼的血尿、尿路感染、尿閉などの合併症を繰り返す場合、あるいは膀胱結石を認めたり、腎機能障害が発生した場合には手術による治療を検討します。
  • 通常は内視鏡を挿入して行う手術が行われます。最近は、レーザーを使用した合併症の少ない内視鏡手術も行われています。
  • 前立腺肥大が非常に強い場合(前立腺容積80〜100mL以上)には、開腹手術にて肥大した前立腺を摘出することもあります