ワキ汗(腋窩多汗症)

ワキ汗(腋窩多汗症)

ワキ汗(腋窩多汗症)の良い治療法があります!

ワキ汗とは正式には「腋窩多汗症」と言います。日常生活に困るほど汗の量が多い病気を多汗症と呼び、手のひらや足の裏など体の一部から体全体の多汗まで様々ですが、その中でワキ(腋窩)の汗が多いものを「腋窩多汗症」と呼びます。

ワキ汗(腋窩多汗症)

ワキ汗(腋窩多汗症)の原因

ホルモンや神経の異常、薬剤などが原因で汗が出る「続発性腋窩多汗症」もありますが、特に原因が見当たらない場合もあり「原発性腋窩多汗症」と呼びます。
親子で遺伝することもありますが、日本人ではその頻度は約10%程度と多くはないと言われています。

ワキ汗(腋窩多汗症)の弊害

ワキ汗は、「汗によるワキの湿り気からくる不快感」や「人目が気になる」などの心理的負担をもたらします。
ワキ汗の悩みをきっかけに抑うつ状態や自信喪失、脱力感、仕事中の集中力低下などをもたらし、社会の生産性の低下も問題となっています。

ワキ汗(腋窩多汗症)の診断

原因不明の過剰な局所性発汗が6か月以上持続していることに加え、以下の6項目中2項目以上を満たす場合に「原発性局所多汗症」(局所が腋窩であれば、原発性腋窩多汗症)と診断します。

  • ① 最初に症状が出たのが25歳以下であること
  • ② 対称性に発汗がみられること
  • ③ 睡眠中は発汗が止まっていること
  • ④ 1週間に1回以上多汗のエピソードがある
  • ⑤ 家族歴がある
  • ⑥ それらによって日常生活に支障を来たす

(原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版より)

ワキ汗(腋窩多汗症)の治療

外用薬(塗り薬)

以下の2種類があります。

  • ① 汗を出す指令をブロックする働きのあるもの
  • ② 汗の出口を塞ぐ働きのあるもの

上記の2種類のうち、腋窩(ワキ)においては①の塗り薬で最近2種類の効果的な外用薬が発売されました。
この2つは医療用医薬品として承認されており、保険診療として処方することが可能です。

注射薬(ボトックス注射)

外用療法で効果が不十分な場合にはボツリヌス毒素(ボトックス)の注射を行います。
ボツリヌス毒素が神経と汗腺の接合部における伝達を阻害し発汗を抑制します。

手術

発汗に関連する神経を切除したり破壊する手術を行います。

その他

上記の他に、内服治療や精神(心理)療法などを行うこともあります。